一緒にいこう

時間、惜しくて、あんたのそばにいる。背中あずけてよっかかってみたり、ぼーっとただそこにいるだけだったり。他にやることがあるだろうってじゃけんにすんなよ、大事だからここにいるんだ。いなくなるまえに覚えておきたいから。本当はもっと触りたい。一個一個覚えておきたい。それやるとあんた苦しそうな顔するだろ?なんかそれ見てるとおれも、つらいんだ。

でもやっぱり我慢できない時もあってさ、気、狂いそうにさびしくなるときあってさ。泣きつきにいくだろ、おれ、卑怯かも。そういう顔していけば、すごく優しいのわかっているから。気持ちよくしてもらいながらこんなにあったかいのに行くのかよってずっと泣き言いってる。そしたら俺を迷わせる気かって苦笑いして。ごめん、迷った魂がどうなるかおれ知ってるのに。それから、死人は本当は生きている人間から切り離されているから、お前を抱くふりをしている、それが苦しいって。律儀でさ、かわいそう。10年もさ、クソ餓鬼のそばにいて。年をとっていくふりして、あったかいふりして、息して、心臓動いているふりして。俺があんたにだだこねたのに、あんたそれ律儀に聞いてさ、抱いてくれるふりしてくれてるんだ。おれ、なんて思ってると思う?嬉しいんだよ。あんたが苦しいって言ってるのに、すごくおれ、嬉しいんだ。足元ぐらぐらするぐらい、ふるえて立てないくらい嬉しいんだ。な?わがままな餓鬼だろ?

そんなに苦しいんなら、いいよ。あんたがユウナの決めたことに従ってたみたいにおれもあんたが決めたこと変えない。でも、おれもついていく。ぜんぜん迷ってなんかいない。ユウナと一緒に生きたかったこともあったけど、もう、いいんだ。さびしいからさ、最初だけでも一緒に行こうよ。同じところに行きつけるか、まだ、わかんないけど。



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