16歳
私のサンプルになったとき、Cは16歳だった。
彼が故郷であるニブルヘイムを出て、ミッドガルへやってきたのは14歳。この年齢は兵士としては若すぎる、という疑問が聞こえてくるが、当時のミッドガルはウータイとの戦争直後であり、18〜40代の人口層が激減していたので、Cのような思春期の子供を採用するような制度になっていたのではないか。一番コストの安上がりな兵器は人間である、ということを、あらためて認識せざるを得ない。
初等教育は14歳には確実に終了するのだろう。もっとも、科学技術が進歩した国で教育の保証がなされていないはずはないから、兵士の訓練期間に受ける教練には学科も含まれていたのだろう。
子供の目に神羅の経済、武力支配がどううつっていたかは興味深い。ジュノンで兵服を身につけ、変装するクラウド・ストライフは「いつからだろう、この制服を着るのがたまらなくいやになってきたのは」と独白する。憧れと希望は現実によって少しずつ砕かれ風化していく。その行く末に、あの事件が待っていた。
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